誰が悪いわけでもないのに、自分のせいでもないのに、どうしてこんな災厄が起きてしまうのだろう。そして人間はそれを目の当たりにしてどうやって生きていけばいいのだろう。この春の出来事の中心にあった筈の問いかけに、この映画は一番に答えてくれている。
報道ではなく正に映画。出来事が起こってから短期間に上映まで行うという行為も含め、映画にはまだまだ未来があるのだと勇気を貰った。
瀬々敬久―― 映画監督
記憶にある故郷・気仙沼は目の前にあるのに、生活の音、匂いが一切ないことに、ある種の恐れを抱いたのを思いだしました。テレビや新聞では、さも騒々しく取り上げられている現地ですが、決して大声もなく音もなく、暗いトーンの静寂だけが降り注いでいました。
被災地で私自身感じた感覚が、映像化されていることに驚きました。